バシリキマブ併用腎移植で生検確認拒絶反応を起こした症例

九州大学 臨床腫瘍外科
* 本山 健太郎、山元 啓文、大田 守仁、吉田 淳一、江上 拓哉
田中 雅夫
九州大学病院 腎疾患治療部
杉谷  篤、升谷 耕介、平方 秀樹
原三信病院 腎センター
片渕 律子

 当科において2002年6月以降、バシリキシマブ、シクロスポリン、ミコフェノール 酸、ステロイドの4剤併用療法下で15例の腎移植を施行した。バシリキシマブは1〜2ヶ月、CD25を抑制するが、この時期に生検で急性拒絶反応が確認された6例について、臨床 経過、病理所見の特徴を考察した。生体腎移植4例、献腎移植2例、生検診断はBanff Grade でIaが2例、Ibが3例、IIが1例であった。血清Crの上昇で急性拒絶を疑い、腎生検を 行った症例が多いが、病理組織学的には拒絶の所見が強くみられる傾向にあった。治療と しては、ステロイドパルスを5例、DSGを1例に用いたが、Grade IIの症例では血漿交換を併用した。この免疫抑制レジメのもとでは、過剰免疫抑制によるウイルス感染とバシリキマブの効果消失以降の拒絶反応で苦慮することが多く、他剤の投与量について1ヶ月までは少なめで以後増量することが必要かもしれない。

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