ネオーラルAbsorption profile monitoring下での腎移植後プロトコル生検像の検討

名古屋第二赤十字病院 腎臓病総合医療センター
* 武田 朝美、小野田 浩、大塚 康洋、永井 琢人、後藤 芳充
植木 常雄、後藤 憲彦、松岡  慎、片山 昭男、幅  俊人
冨永 芳博、打田 和治、両角 國男

 吸収が安定したネオーラルの登場でシクロスポリン投与法はAUC0-4、C2の測定を行うAP モニタリングが主体となっている。移植後早期にAUC0-4=5000 ng・hr/mlをターゲットとした9例(C5)と3000 ng・hr/mlをターゲットとした10例(C3)において、移植後2週間目と6ヶ月目のプロトコル生検像を検討した。全例にバシリキシマブを使用し、MMF(ABO不適合移植の1例ではシクロフォスファミド)とプレドニゾロンを併用した。
 2週間プロトコル生検では、C5の3例にごく軽度のCSA toxic tubulopathyを認め、C3の2例にボーダーライン急性拒絶反応が存在した。6ヶ月目プロトコル生検では、急性拒絶反応をC3で4例(BL=1,IA=2,IB=1)、C5で1例(BL)に認め、CAN-IAをC5,C3それぞれに1例づつ、また慢性CSA血管障害はC5の1例に存在した。
 高齢ドナーが増加している現状で、拒絶反応やカルシニューリンインヒビター腎毒性の危険が高い細動脈硬化の強いドナー腎に対してのAPモニタリングの安全な設定値をどうしていくかについても移植腎病理解析から検討したい。

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