|
ABO不適合腎移植症例について,0hr. biopsy,1hr. biopsy生検腎組織のC4d,IgG,IgM沈着態度の有無,異同を比較,検討した．
症例は0hr. biopsy,1hr. biopsyの双方が施行され,凍結切片によるretrospectiveな検索が可能であったABO不適合生体腎移植9例である．各々凍結標本を蛍光抗体法を用い,C4d,IgG,IgM抗体にて染色し,検討を行った．
0hr biopsyのperitubular capillaryでは全ての症例にて有意な沈着は認められなかった．1hr biopsyのperitubular capillaryではC4dが6例,IgGが2例,IgMが7例にlinear & finely granular patternを示し,陽性であった．C4d陽性の6例は全てIgMも陽性となっていた．尚,C4d陽性となった1hr biopsyではpetubular capillary内腔への軽度の単核球,多核球集積,一部糸球体係蹄内腔における好中球主体の単核球,多核球の出現を見る例も観察された．
以上より,ABO不適合腎移植ではperitubular capillary壁に沿って補体産物,免疫グロブリン沈着およびこれに伴う免疫反応が血流再開直後から始まる症例のあることが示唆された． |
