Late graft loss群と長期生着群の比較検討

大阪大学 器官制御外科学
* 田中 俊之、土岐 清秀、小角 幸人、高原 史郎、奥山 明彦
大阪大学 病態情報内科学
岡  一雅
桜橋循環器クリニック
京  昌弘

 大阪大学泌尿器科において1987年から1993年まで腎移植術を施行した症例のうち,3年以上経過した後に腎機能廃絶した症例をLate graft loss群(以下廃絶群),現在まで生着している症例を生着群として,急性拒絶反応の発症時期,発症回数,Banff97に従ったGrade,また血清Cr値,血圧の推移などのClinical courseについてretrospectiveに比較検討を行った.廃絶群は36例,生着例は121例で年齢,性別,ドナー年齢,生体腎or 献腎では差を認めなかったが,HLA mismatch数では廃絶群平均2.5,生着群平均2.0(p<0.01)と差を認めた.急性拒絶反応発症時期は廃絶群平均13.6日,生着群19.7日(p=0.14),発症回数は廃絶群平均1.42回,生着群0.85回(p<0.01).急性拒絶反応に対して廃絶群30回,生着群51回移植腎生検を施行,Gradeに顕著な差を認めなかった.血清Cr値は移植後3ヶ月で廃絶群が生着群に比べ有意に上昇していた.

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