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巣状糸球体硬化の見られた腎移植後膜性腎炎の1例 |
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虎の門病院 病理部1)・同 腎センター2) |
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長濱 清隆1)・今井 利一2)・井上 純雄2)・葛原 敬八郎2) |
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【症例】 |
49歳男性。慢性腎不全(原疾患不明)により90年11月からHD導入した。93年6月16日18歳女性からの腎提供があり、死体腎移植を施行。SCr1.0mg/dlにて退院、以降順調に経過していた。98年1月、誘因なくSCrが2.0mg/dlまで上昇し、腎機能が低下したため慢性拒絶反応と診断。DSG200mgおよびMPD120mgにて治療を開始したが改善せず、98年2月2日に腎生検を施行。その時の血圧は降圧剤を併用した状態で140/90であった。 |
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【移植腎病理所見】 |
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係蹄壁がびまん性に肥厚し、spikeの形成が見られる。一方、一部のメサンギウムに巣状硬化があり、そのほかの糸球体でも分節状のメサンギウム基質の増加、メサンギウム細胞の軽度の増生がある。傍糸球体装置の軽度の過形成が見られる。尿細管は一部で巣状に萎縮し、同部には間質の線維化、少数のリンパ球浸潤がある。 |
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【生検後経過】 |
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腎生検後の検討で、動脈造影により移植腎側内腸骨動脈の分岐部狭窄が認められた。同部に対してPTAを施行したところ、SCrは1.1mg/dlと低下し腎機能は改善した。尿蛋白については、PTA施行後20〜30mg/dlであったが98年11月頃から尿蛋白2+〜3+と増加傾向にある。現在、腎機能はSCr1.1mg/dlと良好である。 |
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【考察】 |
今回、我々は死体腎移植後4年4ヶ月経過して巣状糸球体硬化を伴った膜性腎炎の1例を経験した。本症例では腎生検後、移植腎側内腸骨動脈の狭窄が明らかになっている。腎病変について、主に巣状糸球体硬化の成因を中心として検討、考察したい。 |
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