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フローサイトメトリー法ダイレクトクロスマッチ陽性生体腎移植症例における急性液性拒絶反応の検討 |
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名古屋第二赤十字病院 腎臓病総合医療センター |
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武田 朝美、戸田 晋、福田 道雄、吉田 篤博、後藤 芳光
上村 治、稲垣 浩子、佐藤 哲彦、渡辺 出、片山 昭男
幅 俊人、冨永 芳博、打田 和治 |
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名古屋市立大学 第三内科 |
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従来法では検出されない弱い既存抗体がフローサイトメトリー法ダイレクトクロスマッチ(FCXM)により検出されるようになった。免疫学的ハイリスク群を術前に選別して適切な術前処置と免疫制療法により超急性・促進型急性拒絶反応発症を避け、移植腎機能喪失を予防することは生体腎移植の適応拡大、予後改善につながっていく。FCXM陽性腎移植での最大の問題点は移植後早期の拒反応の診断と治療である。当センターで施行したFCXM陽性生体腎移植4例中、2例で移植後7、9日目に急性拒絶反応を経験し、バンフ分類にはあてはまらない液性拒絶反応が主体であった。これらの腎生検組織像を中心に臨床病理学的検討を行った。2例とも流産歴のある女性で実父からの移植腎提供をうけた。術前処置として4回の二重濾過血漿交換(DF YPP)を施行、免疫抑制剤はシクロスポリンとシクロフォスファミド、プレドニソロンを使用した。症例1は移植後9日目にsCr=1.46mg/dlに上昇し腎生検を施行した。軽度の間質出血と好中球,好酸球を多く混じる細胞浸潤が主体であり、尿細管炎は軽度だった。糸球体内に単核球、好中球浸潤や血栓形成をみた。動脈内膜炎は存在しなかった。ステロイドパルス、DFPPで回復した後の生検では液性拒絶反応はほぼ消失していた。症例2は移植後6日目で急激に尿量減少した。ダイレクトクロスマッチが陽性となり、腎生検組織では強い間質出血と糸球体内血栓形成が主体の液性拒絶反応だった。透析導入となり、ステロイドパルスに加えて全血漿交換、OKT3を併用して腎機能は改善した。経時生検では間質出血と糸球体内や細動脈の血栓形成主体から、post-thrombotic glomerulopathy & vasculopathy、虚血性病変へと変化していった。軽症例と重症例を呈示し、FCXM陽性例での液性拒絶反応の病理像について検討していきたい。 |
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