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免疫多重染色のコンピューター解析が明らかにする急性腎拒絶反応の空間インデックス
Computer analysis of immunomultiplex staining reveals a spatial index of acute kidney rejection |
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東京女子医科大学 泌尿器科 |
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Enable Medicine Inc |
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東京女子医科大学 移植管理科 |
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東京女子医科大学 研究推進センター |
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【目的】移植腎拒絶反応は多種多様な免疫細胞が関与する複雑な病態であり、その病態を理解するためには空間的な免疫細胞ネットワークの解明が必要である。CODEX(Co-Detection by indexing)は、抗体を1本差DNAバーコードで標識することにより、40種類以上の免疫バイオマーカーを同時に染色することができる最先端の免疫多重染色技術である。本研究ではCODEX解析により、抗体関連型拒絶反応(ABMR)に関連する空間インデックスを同定する。
【方式】東京女子医科大学泌尿器科で2013年から2016年にかけて実施された腎移植症例のうち、移植後1年以内にエピソード腎生検にて急性腎拒絶と診断された標本23検体を解析した。病理診断はT細胞関連型拒絶反応(TCMR)が11例、ABMRが12例であった。DAPI染色をもとにしたdeep learning algorismでセグメント化した個々の細胞について、40種類のバイオマーカーのそれぞれの発現量を解析した。細胞特性解析にはLouvainクラスタリング、近傍成分解析にはk-meansクラスタリングをそれぞれ実施した。
【結果】細胞特性解析では13種類の細胞タイプが特定され(図1)、近傍成分解析では特定の細胞成分を持つ8つの近傍が特定された(図2:ABMRとTCMRの代表ボロノイ図)。ABMR症例ではCD31+血管内皮細胞(EC)が豊富な病変(Neighborhood componen(t NC)5、オレンジ色の領域;p=0.006)、TCMR症例ではCD4+T細胞が豊富な病変(NC0、黒い領域;p = 0.002)がより頻繁に見られた。NC5内において、ABMR症例ではTCMR症例と比較してCD68+マクロファージ(MP)の頻度が有意に高かった(p<0.001)。慢性ABMR(CABMR)の累積発症率は、CD31+ECとCD68+MPの隣接頻度が高いサンプルで有意に高かった(p = 0.025)。
【結論】免疫多重染色のコンピューター解析により、CD31+ECとCD68+MPの隣接頻度がABMRの診断や予後予測に役立つ可能性が示唆された。 |
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