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生体腎移植後に左腎動脈狭窄による低カリウム血症が顕在化し、左腎摘出術により改善が得られた一例
A case in which hypokalemia due to left renal artery stenosis became apparent after kidney transplantation, and improvement was obtained by left nephrectomy |
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東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 |
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椎名 裕城、小林 賛光、山本 泉、川邊 万佑子、菅野 直希、
丸山 之雄、丹野 有道、大城戸 一郎、山本 裕康、横尾 隆 |
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東京慈恵会医科大学 泌尿器科 |
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症例は39歳女性。原疾患不明の末期腎不全にてX-9年に腹膜透析を開始した。X-1年に夫をドナーとする血液型不適合生体腎移植を施行した。移植腎機能は良好で血清クレアチニン値は0.7mg/dl前後を推移したが、血清カリウム値はカリウム製剤補充および抗アルドステロン薬内服にも関わらず3.5mEq/l前後と低値で推移した。低カリウム血症の精査にて血漿レニン活性(PRA)20ng/mL/hr、血漿アルドステロン濃度(PAC)868pg/mLと高レニン高アルドステロンが判明した。移植後12か月の腹部CTアンギオ検査にて、自己左腎動脈狭窄が示唆され、低カリウム血症の責任病変と考えられた。移植腎を含めた分腎レニン採血を施行したところ、左自己腎からのレニン分泌が有意に高値であったため、移植後14か月目に腹腔鏡下左腎摘出術を施行した。術後PRA 2.5ng/mL/hr、PAC 204.9pg/mLと著明な改善を認め、血清カリウム値も改善を認めた。摘出腎の病理結果は腎動脈の線維筋性異形成であった。またレニン染色では残存糸球体のJGA領域にて陽性所見が散見された。腎移植後に自己腎動脈狭窄症による低カリウム血症が顕在化した1例を経験した。本例では廃絶した自己腎においてもレニン分泌が維持されていることを組織学的にも確認できた貴重な症例であり、文献的考察を含めて報告する。 |
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