|
|
|
2017年Banff分類における慢性活動性T細胞関連拒絶の意義:1年プロトコル生検結果と移植腎予後の検討
Significance of chronic active T-cell mediated rejection diagnosed by Banff classification revised in 2017: Association between 1-year protocol biopsy and graft failure |
|
|
九州大学 病態機能内科学 |
|
* |
中川 兼康、土本 晃裕、松隈 祐太、植木 研次、中野 敏昭、
北園 孝成 |
|
九州大学 臨床・腫瘍外科学 |
|
|
福岡大学 腎臓・膠原病内科学 |
|
|
|
|
|
【背景と目的】2017年Banff分類(新分類)で慢性活動性T細胞関連拒絶(CaTCMR)が再定義された。この診断の意義を明らかにする。
【対象と方法】2009年から2013年に当院で1年プロトコル生検(1yPB)を施行した患者を対象に、Cr 2倍化もしくは移植腎廃絶をエンドポイント(EP)として、1yPBにおける新分類でのCaTCMRとEPとの関係を、Cox比例ハザードモデルを用いて検討した。
【結果】対象は258例、年齢(中央値[四分位範囲])は46(35-56)歳、男性58%で、観察期間は77(66-91)月であった。
新分類でのCaTCMR診断は35例で、旧分類では拒絶なし(3例)、急性T細胞関連拒絶(17例)、境界型(12例)と診断したものがCaTCMRに再分類された。観察期間中に対象のうち25例がEPに到達した。この25例には旧分類でもCaTCMRと診断した2例、新分類で新たに診断した4例のCaTCMRが含まれていた。また、この6例のCaTCMR症例のうち1か月以内にステロイドパルスや免疫抑制治療の強化を行ったのは1例であった。新分類におけるCaTCMRは、多変量調整後も拒絶なし+境界例群と比較してEP発生の危険因子であった(ハザード比[95%信頼区間]、3.6[1.1-12.0]、P=0.039)。
【結論】新分類によるCaTCMR診断は予後不良症例の抽出に有用であった。CaTCMRの治療反応性については更なる研究が必要である。 |
|
|
|
戻 る ページの先頭 |
|
|
|