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Chronic graft intolerance syndromeにより移植腎摘出に至った1例 |
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東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 |
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友成 雅大、小林 賛光、山本 泉、畑中 彩恵子、川邊 万佑子、
山川 貴史、勝俣 陽貴、勝馬 愛、中田 泰之、丹野 有道、
山本 裕康、横尾 隆 |
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東京慈恵会医科大学 泌尿器科 |
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Chronic graft intolerance syndromeは、移植腎の機能廃絶後の晩期移植腎摘出の主な原因であり、保持された移植片における慢性炎症により引き起こされる、腫脹・疼痛など種々の症状を呈する臨床的症候群である。症例は46歳男性。2006年4月IgA腎症による慢性腎不全に対して腹膜透析導入。翌年3月実父をドナーとする生体腎移植施行。2010年2月腎生検にてIgA腎症の再発、慢性抗体関連型拒絶が確認され、2016年10月血液透析再導入となった。その後徐々に免疫抑制剤を減量し、2018年1月で中止後から微熱、左下腹部痛、肉眼的血尿を自覚。CTでは移植腎の腫大を認め、graft intolerance syndromeを疑いステロイドパルス療法を行ったが、移植腎周囲の疼痛および炎症反応高値が持続するため、2018年3月移植腎摘出術を施行した。手術は下腹部正中切開、経腹膜到達法で行った。摘出腎の病理所見は、皮質の広範囲にわたる間質線維化と、慢性活動性拒絶反応の持続によると考えられる腎動脈中枢レベルにまでおよぶv、cv lesionや血栓などの高度動脈病変と散在する間質出血と広範な出血性壊死を認めた。術後13日で退院し、自覚していた疼痛は消失し、炎症反応も低下を認めた。これまでchronic graft intolerance syndromeの詳細な病理組織像を検討した報告はなく貴重な症例と考え報告する。 |
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