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donor-recipient body weight mismatchのある腎移植例における糸球体基底膜厚の臨床病理学的検討
Clinicopathological study of glomerular basement membrane thickness on donor-recipient body weight mismatch in renal transplantation |
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東邦大学医学部 腎臓学講座 |
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川口 祐輝、小口 英世、板橋 淑裕、村松 真樹、兵頭 洋二、
篠田 和伸、高橋 雄介、櫻林 啓、水谷 年秀、河村 毅、大橋 靖、
濱崎 祐子、宍戸 清一郎、酒井 謙 |
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東邦大学医学部 病理学講座 |
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東邦大学医学部病院 病理学講座 |
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山口病理組織研究所 |
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【背景】近年、夫婦間での生体腎移植の増加に伴い、ドナーとレシピエント間に体重差のある症例が散見される。低体重ドナーからの腎提供に伴うbody weight mismatchが移植腎機能低下に関連すると報告されているが、組織学的な検討は未だ多くない。当院での体重差が高度な移植例で、1時間生検の電顕における糸球体基底膜厚が正常より薄い症例を経験し、1時間生検における糸球体基底膜厚の横断的解析、およびbody weight mismatchが糸球体基底膜厚に与える影響について解析した。
【方法】電顕による全例評価を行っていた2011年に当院で行われた腎移植42例のうち、成人24例(小児14例、献腎2例、電顕無2例を除いた)を対象とし、1時間生検の検体を用いて糸球体基底膜厚について比較検討した。測定方法に関して、既報に則って行い、非虚脱糸球体で1個の係蹄につき3か所(図)、10個の係蹄で計30か所の平均値を測定した(Mark Haas. Arch Pathol Lab Med 2006)。また、donor/recipient body weight ratioが0.9未満をbody weight mismatchあり、0.9以上をなしと定義した(El-Agroudy AE et al. Am J Nephrol 2003)。
【結果・考察】全症例における平均糸球体基底膜厚は250nm未満が1例、250 〜 300nmが12例、300 〜 350nmが6例、350nm以上が5例であった。body weight mismatchあり群は8例(272.3±58.5nm)、なし群は16例(334.8±27.5nm)であり、あり群がなし群に比して有意に平均糸球体基底膜厚が薄かった(p<0.01)。body weight mismatch症例では低ネフロンマスに起因した糸球体過剰濾過が長期の腎機能低下に寄与するという報告があり、1時間生検の電顕における糸球体基底膜厚においても同様の機序による影響が推察された。
【結論】body weight mismatchがある症例では、ない症例に比して有意に糸球体基底膜厚が薄くなる可能性が示唆され、ドナーからの持ち込み基底膜病変の評価をする上で参考になりうると考えられた。 |
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