移植後再発IgA腎症を発症した2症例
2 cases of reccurent IgA nephropathy after kidney transplantation

東京都保健医療公社大久保病院
* 小川 ひな
東京都保健医療公社大久保病院 腎臓内科
今泉 雄介、大久保 里枝、吉川 佳奈恵、河野 桃子、石渡 亜由美、
齋藤 誉子、佐野 夏帆、長谷川 純平、亀井 唯子、川西 智子、
阿部 恭知、遠藤 真理子、若井 幸子
東京都保健医療公社大久保病院 移植外科
石郷岡 秀俊、白川 浩希
昭和大学 解剖学講座 顕微解剖学部門
本田 一穂

【症例1】15歳検尿異常、腎生検でIgA腎症の診断、24歳透析導入。26歳時に母をドナーとした血液型適合生体腎移植を施行した。移植前扁摘施行、DSA陰性、導入時の免疫抑制療法はTAC+MMF+basiliximab+rituximab。
移植後血尿1+が続き1年後の腎生検で軽度のメサンギウム領域の拡大とIgA沈着を認め、再発IgA腎症としてrituximabを投与、2年6ヵ月後にステロイドパルス施行した。病理所見は著変ないが尿所見の寛解を得た。
【症例2】学校検尿異常、腎生検でIgA腎症の診断、27歳透析導入。30歳時に父をドナーとした血液型適合生体腎移植を施行。移植前扁摘施行、DSA陰性、導入時の免疫抑制療法はTAC+MMF+basiliximab+rituximab。1年後血尿1+を認め腎生検でIgAのメサンギウム領域への沈着を認めた。追加治療を希望されず経過観察中であるが移植後6年目の現在血尿2+と尿所見異常が続いている。
【考察】再発IgA腎症の治療法および治療時期について確立されたものはないが、早期介入による糸球体血管炎への治療で寛解導入される可能性がある。文献的考察を交えて報告する。

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