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移植後IgA腎症に対するステロイドパルス療法の検討
The effect of steroid pulse therapy in IgA nephropathy after kidney transplantation |
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九州大学大学院 病態機能内科学 |
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松隈 祐太、升谷 耕介、土本 晃裕、鶴屋 和彦、北園 孝成 |
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九州大学大学院 臨床腫瘍外科学 |
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加来 啓三、栗原 啓、岡部 安博、北田 秀久、中村 雅史 |
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九州大学大学院 包括的腎不全治療学 |
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【目的】移植後IgA腎症には主にRA系抑制薬が投与されるが、ステロイドパルス療法に関する報告は少ない。今回、再発例を含む移植後IgA腎症へのステロイドパルス療法の有効性と安全性を検討した。
【方法】2014年以降に当院で生検診断した移植後IgA腎症7例(再発4例)。メチルプレドニゾロン500mg×3日間のパルス療法を2クール施行後、20mg/日の経口プレドニゾロン(PSL)を開始、6ヶ月間で減量した。他の免疫抑制薬は変更せず、以後元の経口ステロイド薬を継続した。扁桃摘出は2例に施行、1例は移植前に施行されていた。治療後の移植腎機能、尿蛋白寛解(尿蛋白/尿クレアチニン[Cr]比<0.3 g/gCr)の有無、血尿寛解(尿沈渣赤血球<5個/高倍率視野)の有無を評価した。
【結果】経過中の移植腎機能に変動はなく、治療に伴う合併症は帯状疱疹を1例に認めるのみであった。尿蛋白は治療開始時の中央値0.58g/gCr(0.50-1.92)から最終観察時(12±6ヶ月後)には0.08g/gCr(0.06-0.78)に低下、7例中6例(86%)で尿蛋白が寛解、4例(57%)で血尿の寛解を認めた。
【結論】ステロイドパルス療法と20mg/日からの経口PSL療法は腎移植患者に対して比較的安全に施行可能で、移植後IgA腎症の尿異常を改善する。 |
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