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抗ドナー抗体陽性の二次移植−臨床検査所見、血中抗体、生検組織像の関連− |
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国立病院機構 米子医療センター 外科 |
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杉谷 篤、奈賀 卓司、久光 和則、山本 修、 濱副 隆一 |
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国立病院機構 米子医療センター 泌尿器科 |
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国立病院機構 米子医療センター 代謝内科 |
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国立病院機構 米子医療センター 病理部 |
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症例は59歳男性。44歳時、母親をドナーとする血液型一致生体腎移植を受けたが、15年後に透析再導入となった。59歳時、56歳の妻をドナーとするAB型からA型への血液型不適合、抗ドナー抗体陽性の二次移植を施行した。HLAは2Ag match、DCMは、LCTとTcell-FCXMは陰性、Bcell-FCXMは陽性であった。レシピエントの抗B血液型抗体は2倍以下であったが、抗HLA抗体は、多数のclass1抗体、二次ドナーに対するclass2、DQ9抗体を高力価で持っていた。また、DQ9抗体は高力価の補体活性化能力もあった。約6か月間、TAC、MMF、SMの3剤内服による脱感作療法を行い、移植前にDFPP/PEX4回、IVIG20gを5回、リツキサン投与のうえで二次移植を行った。
術後経過は良好で、臨床検査成績では、血清Crも順調に低下した。@1Hour生検は拒絶反応の所見はなく、C4dも陰性であった。A2週目の移植腎生検は間質のリンパ球浸潤とPTCに細胞診潤とC4dのび漫性沈着がみられ、細胞拒絶と抗体拒絶が陽性と判断し、直ちにストロイドパルス療法を施行した。B同時に採取した廃絶腎生検は、糸球体と間質の線維化、尿細管の委縮、小動脈の肥厚・狭窄、C4dはPTC周囲に陽性であった。しかし、他の病理医へのコンサルトで、移植腎生検像は、非特異的な細胞浸潤、C4d on PTC陽性は血液型不適合による沈着と読影された。C1か月目生検は、PTCに細胞診潤、基底膜肥厚はないが、C4dはび漫性に陽性、D3か月目生検は、急性拒絶、慢性拒絶の病理学的所見はなく、C4dはび漫性に陽性であった。経過中、生検と同時期に測定した血中のHLA抗体は変化なく、特にDSAの抗DQ9抗体も高力価のままであった。血清Cr1.5mg/dlで経過している。
1)2週目生検で、細胞浸潤とPTCitis、C4d陽性所見を拒絶なしと判断する組織所見、2)1か月目生検で、PTCitisが消失した理由、3)高力価の補体活性化があるDSAで抗体拒絶が起こらない理由、を提示・検討したい。 |
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