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Borderline changeの転帰に関する検討 |
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大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学(泌尿器科) |
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山中 和明、加藤 大悟、角田 洋一、奥見 雅由、野々村 祝夫 |
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桜橋医誠会クリニック |
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大阪大学 先端移植基盤医療学 |
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【目的】移植腎生検の結果、Borderline change(BC)と診断された症例の経過において、拒絶反応を発症するもの、もしくはそのまま腎機能に変動なく経過するものなど転帰はさまざまである。このたび、我々はBC症例の転帰に関連するマーカーとして、間質への細胞浸潤(i)に注目し、検討を行った。
【対象と方法】大阪大学医学部附属病院泌尿器科で1998年から2012年までに腎移植を施行された223症例のうち、初回の移植腎生検でBCと診断され、さらにその後、再生検が施行されている34症例を対象とした。病理診断はBanff 分類1997に従い、さらにBC症例をCooperative clinical trials in transplantation(CCTT)分類を併用し、間質への細胞浸潤が5%未満の症例をBC1、5~25%の症例をBC2と細分類した。
【結果】34症例のうち、1症例はFGS再発のため、Graft lossし、1例は悪性中皮腫のため死亡。初回生検でBC1は23症例で、再生検でBC2と診断されたのは6症例、また急性T細胞関連拒絶反応Ⅰa(ATMRⅠa)以上と診断されたのは5症例(21.7%)であった。また初回生検でBC2は11症例で、再生検で同様にBC2と診断されたのは5症例、またATMRⅠa以上と診断されたのは1症例(9.0%)であった。BC1症例で最終的にCTMRに至った3症例は、全例が経過中に拒絶反応を発症していたが、BC2症例のCTMRに至った4症例では、いずれも拒絶反応を発症することなくCTMRに至っていた。
【結語】BC1症例はBC2症例に比べ、その後に拒絶反応を発症する頻度が高かったが、その原因としてBC2症例では免疫抑制の強化がされていることが考えられた。BC症例でも、拒絶反応発症の予防に、積極的な免疫抑制の強化が有効である可能性が示唆された。 |
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