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移植直後より大量の尿蛋白(>50g/日)を認めた巣状糸球体硬化症(FSGS)の1例 |
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京都府立医科大学 臓器応答探索医学講座 |
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京都府立医科大学大学院 移植・再生外科学 |
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越野 勝博、坂井 利規、昇 修治、
牛込 秀隆、岡島 英明、吉村 了勇 |
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京都府立医科大学大学院 計量診断病理学 |
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京都市立病院 小児科 |
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症例は15歳女性。2歳時発症のネフローゼ症候群で経過中の生検所見はいずれも微小変化(MCNS)であったが、最終再発時の経過は臨床的には巣状糸球体硬化症(FSGS)を思わせるものであった。急速に腎機能が悪化し3年8ヶ月間腹膜透析、その後4ヶ月の血液透析を経て母親をドナーとする生体腎移植を施行した。血液型一致(B-B)、ダイレクトクロスマッチはLCT法、FCMともに陰性で、移植前処置として2回の血漿交換を行なった。免疫抑制剤はタクロリムス、ミゾリビン、プレドニゾロン、バシリキシマブで導入、移植直後より利尿を認め術後2日目に血清Crは0.6mg/dlまで低下したが、直後より大量の尿蛋白が見られ術後3日目には50g/日を越えた。尿蛋白の減少傾向が見られないため術後6日目より血漿交換(術後計9回)、リツキシマブ(200mgx2回)の投与を行い、尿蛋白は10g/日程度まで減少した。 移植腎生検では、典型的な部分硬化糸球体は見られないものの足細胞の腫大と空胞化が見られFSGSの再発と矛盾のない所見であった。蛍光抗体では係蹄の透過性亢進および滲出性変化に伴う非特異性蛍光がみられ、電顕では足突起が広範囲に消失し、微絨毛も軽度に増加していた。その後ステロイドパルス療法に反応し尿蛋白は1g以下まで減少したが、再度ネフローゼとなりLDLアフェレーシスなどにより治療継続中である。 |
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