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腎移植後ステロイド早期離脱プロトコールの短期成績に関する 臨床病理学的検討 |
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北海道大学病院 泌尿器科 |
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市立札幌病院 腎移植科・泌尿器科・病理科 |
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小川 弥生、原田 浩、武内 利直、関 利盛、平野 哲夫 |
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【目的】
ステロイドの様々な副作用を考慮し、ステロイド早期離脱療法を導入した。その短期成績について臨床病理学的に検討した。
【方法】
当2施設の血液型適合かつクロスマッチ陰性生体腎移植症例で、バジリキシマブ、タクロリムス(Tac)、ミコフェノール酸モフェティル(MMF)に加え、術当日からメチルプレドニゾロン(MPZ)を3日間のみで導入し、6 ヶ月以上の観察期間を有する21例(SED群)と、MPZを移植後4週で4mgまで減量し、以後4mgで継続するプロトコールを使用した52例(LDS群)を対象とした。移植後1年までの移植腎機能、急性拒絶反応(AR)、Tac投与量と血中濃度、MMF投与量、定期移植腎生検の病理組織スコア、日和見感染症、新規糖尿病発症について比較検討した。
【結果】
全例で移植腎は生着中である。移植腎機能については1 ヶ月目を除き、血清クレアチニン、尿蛋白ともに両群間で差がなかった。SED群5例でARを発症し、MPZパルス±塩酸グスペリムス投与で治癒し、全例ステロイドフリーで観察中である。SED群におけるARの頻度(24%)はLDS群(13%)と差がなかった。Tac投与量、血中濃度、MMF投与量ともにSED群でLDS群より高い傾向にあった。1、3、6、12か月目に施行した定期移植腎生検のバンフ分類各スコアに2群間で差はなかった。日和見感染(サイトメガロウイルス・水痘ウイルス)の発症頻度に両群間に差はなかった。新規糖尿病の発症頻度にも差がなかった。
【結語】
ステロイド早期離脱プロトコールの短期成績は臨床的、病理学的に良好であった。 |
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