|
Banff’ 05 meeting report (Am J transplant 2007; 7: 518-526) によると、抗体関連型拒絶を急性、慢性活動性拒絶の二つの亜分類とし、また急性/活動性細胞性拒絶はT-cell関連型拒絶と名称を変え、こちらも急性、慢性活動性拒絶の二つの亜分類が成された。慢性液性拒絶反応については、形態学的な特徴、蛍光所見、および抗ドナー抗体について明記され、病理診断する立場としては拠り所ができた。しかしslow/activeな慢性活動性拒絶反応を形態学的所見のみに診断することは難しいことが多く、詳細な臨床経過や検査成績からフィードバックして理解することは欠かせない。また、急性拒絶反応においても、移植治療の進歩により、軽微な組織所見を示す症例も散見され、臨床病理学的に判断することが重要である。今回、移植腎生検組織における拒絶反応を考え、発言する機会を頂いたので、急性・慢性活動性拒絶反応あるいはT細胞関連型拒絶反応を中心に、日頃から省みる症例をとりあげ呈示したい。 |