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【目的】腎移植後のプロトコール生検が一般化し以前にも増して移植腎生検の重要性が増している。しかし、その病理組織診断において必要生検本数は決められていない。今回、我々は最も適切な腎生検の本数を探るべく、生検本数による診断の差がどの程度存在するかを検討した。 【対象および方法】平成16年6月から平成18年4月までの間に岐阜大学にて施行した移植腎生検のうち針生検検体が3本採取され評価可能であった119生検を対象とした。検体は16G針にて採取し、1本あたりの糸球体数は平均21.4個採取されており、皮質の割合は平均87.5%であった。移植腎生検の検体を別々に1本と2本で診断し、その結果の合致率をみた。さらにその結果を併せて3本での診断とし、その診断と1本、2本での診断がどの程度の正診率かを検証した。 【結果】119生検中1本での結果と2本での結果が一致したものは81例(68%)であった。結果の一致しなかった38例において、3本での診断を最終診断とした場合、1本での正診率は18%(7/38)で2本では63%(24/38)であった。針生検の本数が多いほど情報が多く正確な診断が可能であった。検体が1本での病理診断は正診率が低く、2本以上の検体が必要と考えられた。 |