PTLD(Posttransplant lymphoproliferative disorder)と急性拒絶反応の鑑別に苦慮した小児腎移植例

金沢医科大学 腎機能治療学
* 佐藤 一賢、足立 浩樹、近澤 芳寛、中川  卓、今村 秀嗣、奥山  宏、山谷 秀喜、浅香 充宏、横山  仁
金沢大学大学院医学系研究科 血管発生発病態学
大田 和秀
金沢大学大学院医学系研究科 保健学専攻
谷内江昭宏
 

症例は14歳女性。
1999年1月(8歳)に母をdonorとした生体腎移植術を受けた。
免疫抑制剤はTacrolimus、Mizoribin、Steroidの3剤で開始されS-Cr0.6mg/dlで退院した。
2000年2月に発熱と頚部リンパ節腫脹で入院、EB virus感染症と診断され、TacrolimusをCiclosporinに変更、Steroidも減量し2003年3月でSteroid中止となった。
その後肝機能障害が出現し2003年12月に肝生検を施行され、肝類洞にリンパ球浸潤を認め2004年2月にRituximabの投与を受けた。
2006年3月に移植後7年目の移植腎生検目的で入院、間質の70%以上に単核球細胞浸潤を認めBanff I bの所見と考えられた。
EB virus感染によるPTLDの可能性も考慮したがEBER-1、LMP-1は共に陰性でありCiclosporinとMizoribinの増量で経過観察中である。


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