移植後早期より著明なグラフト石灰化を示した1男児例

東京慈恵会医科大学青戸病院 病理部
* 金綱友木子
東京女子医科大学 腎臓小児科
久野 正貴、三浦健一郎、田中絵里子、服部 元史
東京女子医科大学 腎臓外科
寺岡  慧
東京慈恵会医科大学柏病院 病理部
山口  裕

症例は6歳男児。1歳時にネフローゼ症候群発症し、FSGSと診断される。3歳時よりPD導入。2006年3月6日献腎移植施行(Donor、30歳男性、0 hour biopsy施行)。免疫抑制にはシムレクト、FK506、MMF、メチルプレドニソロンを使用した。術後グラフト血流不良あり、術後10〜 17日に発熱、尿量増加不良のため術後21日目に第2回目の生検施行する。生検組織には近位尿細管内腔主体の微小石灰化多数が認められた。加えて中等度のリンパ球、好中球浸潤と軽度のtubulitis、peritubular capillaritis、少数の白血球円柱も観察された。その後sCr1。
45mg/dlまで低下していたが再上昇あり、術後48日目よりメチルプレドニソロンパルス療法施行。術後52日目第3回目生検施行。3回目生検の石灰化は第2回生検と同程度であったが尿細管上皮の再生とexotubulosisが認められた。間質炎の程度は軽減しておりacute rejectionの所見は認められなかった。問題点:術後の急激な腎組織石灰化の原因は?。


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