C1q優位の膜性病変を伴う紫斑病性腎炎の再発を認めた腎移植例

東京慈恵会医科大学 腎臓高血圧内科
* 丹野 有道、山本 裕康、山本  泉、柳沼 樹宏、三留  淳、川村 仁美、宮崎 陽一、宇都宮保典、細谷 龍男
東京慈恵会医科大学附属柏病院 病理部
山口  裕

31歳女性。
紫斑病性腎炎由来の慢性腎不全で1999年5月腹膜透析を開始、2000年6月実父をドナーとする血液型適合生体腎移植を施行。
術後CMV網膜症に罹患するもガンシクロビル投与と免疫抑制剤減量で軽快。
3ヶ月目プロトコル生検で拒絶反応なく、ARB投与下にて血圧正常、血清Cr<0.9mg/dl、尿蛋白<150mg/日で推移、血尿は認めなかった。
2005年2月妊娠が判明しARB中止。
妊娠10週目より尿蛋白漸増し、17週目から血圧も上昇。
降圧療法を強化するも24週より増悪、血圧190/100mmHg、尿蛋白6g/日、血清Cr1.7mg/dl、臍帯血流低下もみられたため妊娠28週2日で帝王切開、生児を得た。
徐々に腎機能は改善し、ARB再開にて血圧正常化するも、尿蛋白1g/日が持続。
2006年4月腎生検でC1q優位の膜性変化を伴う紫斑病性腎炎の再発を認めた。
本例の病態、治療方針につきご教授頂きたい。


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